今年(2022)も移り変わる紅葉の変化を9月1日から(今日を含めて)45回にわたって紹介してきました。
落葉が進み、冬景色に近くなりましたので、本日分で最終回とします。長い期間、ご覧いただきましてありがとうございました。以下、今年の紅葉を振り返って、締めくくります。
【今年(2022)の雲場池・紅葉を振り返って】
コロナ禍でむかえた3回目の紅葉シーズンとなりましたが、今年も美しい紅葉風景が広がって、多くの人たちが紅葉狩りに訪れました。
個人的な感想となりますが、以下に今年(2022)の紅葉の特徴を挙げてみます。
1.紅葉時期:例年に比べて見ごろの時期、やや長く続く
10月20日ころから見ごろとなり、25日ころから最盛期の彩りになりました。概ね例年並みに色づきでしたが、11月を過ぎてからも彩りが増し、11月1日〜3日ころをMAXに最盛期の彩りが5日ころまで続きました。その後、落葉が進みましたが11月10日ころまで見頃が続き、11月13日(日)まできれいな状態をキープ。紅葉期間のやや長いシーズンとなりました。
見ごろ:10月20日から11月10日
最盛期:10月25日から11月5日
※「見ごろ」や「最盛期」と言っているのは、池の周り全体を見て感じた個人的な感想です。
2.彩り:鮮やかで色彩豊かな紅葉、黄葉も美しく
例年通り大変美しく色づきました。赤いカエデ類は例年通りに鮮やかな赤に色付き、ダンコウバイ、コナラ、ミズナラ、ヤナギ類といった黄色く色づく黄葉が例年以上にきれいに色づいた印象です。
3.天候:紅葉シーズンは冷え込み厳しく、平均よりも気温が低かったものの、雨量は少なく
見ごろをむかえる10月下旬から氷点下の冷え込みが続くなど、見頃期間の気温は平年値を下回りました。しかし、紅葉期間中の雨量が非常に少なく、また木枯らしのような強風がなかったこともあり、冷え込みが大変厳しかった割には落葉のペースが緩やかで、紅葉期間が長く続きました。
10月11日(中旬)から11月10日(上旬)までの1か月間に降った雨量は合計25.5_で2010年からの13年間で最も少雨となりました。
(3-1)10月上旬:ほぼ平年並みの気温、雨量で紅葉の色づき始める。
表1 2010-2022年10月上旬 軽井沢の気温、日照時間、雨量
(3-2)10月中旬:ほぼ平均並みの気温、雨量は5.0ミリで少なく、色づき緩やかに進む
表2 2010-2022年10月中旬 軽井沢の気温、日照時間、雨量
(3-3)10月下旬:冷え込み厳しく、雨量少なく。紅葉は順調に進み、本格的な彩りへ
下表:10月下旬、平均気温は6.4度で、平年値を2.1度も下回りました。一日の最低気温の平均は1.1度で2010年からの13年間で最も低い値となりました。氷点下になる日が続くなど、朝晩の冷え込みが厳しく、散り始めが早いのではないかと思いましたが、落葉は最小限で、紅葉の彩りは鮮やかさを増していきました。雨量は7.0_で平年値の約16%しかありませんでした。
表3 2010-2022年10月下旬 軽井沢の気温、日照時間、雨量
(3-4)11月上旬:平年並みの気温で紅葉は最盛期の彩りに。
11月4日以降、氷点下の冷え込みが続きましたが、落葉が一気に進むこともなく、徐々に散っていった印象です。
表4 2010-2022年11月上旬 軽井沢の気温、日照時間、雨量
(3-5)気温の変化
下のグラフは今年の1月からの気温の変化を表したものです。紅葉シーズンとなる10月下旬は、ひときわ平年値を下回りました。

グラフ1 2022年 軽井沢 1月1日から11月15日までの気温変化(赤:最高気温、緑:平均気温、青:最低気温)
※平年値は1991-2020の30年間の平均
下のグラフは今年の7月からの気温の変化を表したものです。紅葉シーズンは平年を下回る気温で寒くなりました。

グラフ2 2022年7月1日から11月15日までの気温変化(気象庁 軽井沢観測所のデータより)
(赤:最高気温、緑:平均気温、青:最低気温、 ※平年値は1991-2020の30年間の平均)
(3-6)2022年1月から11月上旬までの旬毎の平均気温、雨量、日照時間、相対湿度
紅葉シーズンは気温が低く、雨が少なかったと言えますが、もう一つ、11月上旬の相対湿度が86%で平年値の81%よりも5%高い結果となりました。雨が少なかった割に乾燥が少なく、湿度が高かったことも、、紅葉が比較邸長く楽しめた要因の一つかも知れません。
表5 軽井沢 2022年の旬毎の平均気温、雨量、相対湿度、日照時間
4.駐車場に課題
雲場池からほど近い場所にあった大規模有料駐車場が今年の2月末をもって閉鎖しました。「雲場池に行くのに便利」と言えるような近場の駐車場がなくなり、今まで車で来られていた方が、どこに止めればよいか迷ってしまうケースが多かったようです。雲場池の入口周辺は道幅が狭く、駐車禁止エリアになっていますが、事情がよく分からずに、とりあえず雲場池の前まで行ってみて、一時的に路駐してしまうケースが今年多かったように感じます。
雲場池に訪れる人の数が圧倒的に多いのが秋の紅葉シーズンです。
軽井沢町や観光協会が、少し離れた場所にある町営や民間の駐車場をホームページなどで案内してくれていますが、遠くから来る方々に広く周知させるのには限界があり、とても難しい問題だと感じています。
車で来ていただいた方々に、ご理解いただきながら安心して楽しんでもらえるようにするにはどうすればよいのか?来年以降に残る課題です。
【本日の雲場池(2022.11.16)】
以下、雲場池の周りを1周(反時計回り)回りながら撮影した風景の写真を紹介します(時間不順)。紅葉シーズンとして最終回です。
下写真:(南側の)入口を入ってすぐに目に入る景色です。
2022年11月16日 8:55 雲場池 池の正面から右側(東側)の景色
※雲場池の遊歩道は道幅が広くありません。人と人とがぎりぎりの距離ですれ違う場所も多く、密になりやすい環境がありますので、マスクの着用、人と人との間隔を空ける、会話を控えるなど、新型コロナウィルスの感染予防に留意して散歩をお楽しみください。