このブログでは9月5日から、日々刻々と変化する令和3年(2021年)紅葉の状況をお伝えしてきましたが、今日で最終回となります。長い期間、ご覧いただきましてありがとうございました。以下、今年の紅葉を振り返って、締めくくります。
【今年(2021)の雲場池・紅葉を振り返って】
今年の紅葉の特徴として挙げるとすれば、最盛期の時期が例年よりも3日程度遅くに訪れたこと。そして、鮮やかだった昨年を上回る赤味の強い紅葉となったことでしょうか。
昨年(2020)に続いて、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、雲場池を訪れる人の数はかなり少なかったと思われますが、それでもお散歩コースとしての人気は高く、常に憩いの場所になっていたようです。
そして、紅葉シーズンに限って言えば、昨年もそうでしたが、コロナ禍とは思えないくらい多くの人が訪れて、大変な賑わいとなりました。
2021年 軽井沢 雲場池 新緑から紅葉までの変化(6/21から11/20)
上の画像をクリックすると、軽井沢草花館HP「令和3年(2021) 雲場池新緑〜紅葉変化」にリンクします。
1.紅葉時期:例年に比べて見ごろの時期遅く
近年、雲場池紅葉の最盛期はおおむね10月25日から11月初旬、そして見ごろと言える期間は10月下旬から11月上旬になることが多くなっています。
今年(2021)は色付きはじめが遅く、(あくまでも個人的な感想ですが)最盛期の彩りは10月28日から11月6日ころとなりました。見ごろの時期としてはその前後で、おおむね10月25日から11月8日といったところでしょうか。
例年に比べて、3日くらい紅葉がゆっくりと進んだ印象です。
理由としては、気候の影響が大きかったと思われます。今年(2021)は、10月の前半までは記録的な暖かさで、紅葉がなかなか色づかず、今までにないくらいゆっくりと進みました。ところが10月後半に入ると気候が一転し、今度は冷え込みの厳しい日が続きました。カエデ類やドウダンツツジが日を追うごとに鮮やかなになっていき、例年よりも少し遅れたものの、大変鮮やかな紅葉となりました。
※毎年、紅葉シーズンの時期は天候によって異なり、サクラの開花と同様で早かったり、遅かったりします。
2.彩り:昨年以上に鮮やかで色彩豊かな紅葉
今年の紅葉の色はカエデ類の赤が昨年以上に鮮やかに色づいて、とてもきれいでした。
10月の後半からは11月並みの冷え込みになることが多く、「赤くならないうちに霜でやられてしまうのではないだろうか?」と心配しましたが、その予想は外れ、葉っぱの状態がよいまま、鮮やかさを増していきました。
また、カエデ類以外でもドウダンツツジの赤が映え、その他、黄色くなるもの、朱色になるものの彩りも美しく、全体的に色彩豊かな紅葉を楽しむことが出来ました。
3.水鳥
今年も、紅葉シーズン中はキンクロハジロとマガモ(どちらも30羽近く)の姿が目立ちました。その他はカルガモやコガモ、オオバンの姿が見られました。カイツブリとオシドリの姿は今年も見られませんでした。
2021年11月11日 雲場池 キンクロハジロ
4.天候:年間では平均気温高く、紅葉時期は10月前半まで高温で10月後半から低温
(4-1)10月上旬:9月並みの気温の高い状態が続き、紅葉の色づきは緩やかに進みました。
(4-3)10月下旬:11月並みの冷え込みが続き、ようやく紅葉が本格的な彩りに。10月25日ころから見ごろの状態、28日ころから最盛期の彩りに。
(4-4)11月上旬:11月に入ると平年並みの気温に。紅葉はさらに彩りを増し、11/6頃まで最盛期の彩りが続きました。11/9に雨が降り、10日、11日のやや強い風で大半の葉が散りました。
(4-5)気温の変化
下のグラフは9月1日から紅葉シーズンまでの気温変化です。
紅葉が色付き始める10月前半は気温の高い状態が続いていましたが、後半に入るや否や11月並みの気温になりました。
今年は10月中旬並みの気温になることがほとんどなく、特徴的な温度の推移でした。
グラフ2 2021年9月から11月16日までの気温変化(気象庁 軽井沢観測所のデータより)
(赤:最高気温、緑:平均気温、青:最低気温、 ※平年値は1991-2020の30年間の平均)
下のグラフは9月1日から11月18日までの平均気温を一日毎に色で分けたものです。
最下段は2021年の一日ごとの平均気温を過去30年の平均気温「〇月〇旬並み」として色で置き換えました。
9月上旬には記録的な低温と日照不足が続きました。冷え込みが続いたので、この時は「もしかすると紅葉が少し早くから始まるかも知れない」と思いましたが、結果は真逆となり大外れでした。
その後、9月中旬、下旬と、平年並みの気温が続いたものの、紅葉シーズンが始まる10月に入ってから、例年のように冷え込んできませんでした。
10月前半までは9月下旬並みの暖かさが続き、紅葉の進行が鈍化していましたが、10月後半になると天候が一転し、今度は11月並みの気温に下がりました。ようやく紅葉の色づきも加速して、10月25日くらいになって、ようやく見ごろの状態になりました。
10月中は10月並みの気温の日がほとんどなく、今年の紅葉シーズンにおける気温の特徴をよく示していると思います。
さらに言えば、紅葉期間中に10月中旬並みに該当する日はありませんでした。
グラフ3 2021年9月1日から11月18日までの気温変化(気象庁 軽井沢観測所のデータより)
※平年値は1991-2020の30年間の平均